イライラを止める方法:原因は自分の中にあった
他人のちょっとした言動にイライラしてしまう。こういった経験は、誰にでもあるはずです。
ただ、このイライラした気持ちが収まらないとか、イライラしすぎてしまうというような場合は、何か理由があるかもしれません。
イライラするときには、必ず原因があります。
そしてその原因はほとんどの場合、自分自身の中にあります。
イライラする原因は、自分の中にあるものなので捨て去ることもできます。
それを捨ててしまうと、不思議とあまりイライラしなくなります。
もっとも、世の中に全くイライラしない人なんて一人もいません。
どんな人でも、例えば心理学の専門家でも、イライラすることはあるはずです。
そして、イライラすることはあってもいいはずです。
ただイライラしすぎて自分が苦しくなってしまうようなときは、そのイライラを少し和らげることができたらあまり苦しまずに済みます。
ここでは、「他人にイライラしないためには、どうすれば良いのか?」 について考えていきます。
他人にイライラしてしまうときに、自分がやってしまっていること
「人にイライラする原因の多くは自分の中にある」ということでしたが、他人にイライラするときに、自分がやってしまっていることがあります。
それは「期待すること」です。
それでは、「期待すること」と「イライラすること」の間にどんな関係があるのでしょうか?
イライラは怒りの感情ですが、その怒りには「期待」が深く関係しているといわれています。
人は、相手、または相手の反応に何らかの「期待」をしてしまいます。
そして、その「期待」が満たされないときには、残念な気持ちになります。
そしてその残念な気持ちが、次第に怒りに変化していきます。
怒りは第二の感情といわれているのですが、その前に第一の感情があることになります。
この場合には、残念な気持ちというのが第一の感情に当たります。
その第一の感情「残念な気持ち」が沸き上がるのは、期待が裏切られたからということがとても多いのです。
つまり、期待する→期待が満たされない→第一の感情(残念で悲しい形)→第二の感情(イライラ・怒り)という順になります。
これがイライラそのものをなんとかしようとしてもうまくいかない最大の原因といえます。
実際に、イライラするというのは結果でしかなく、その前にいくつかの過程を経ています。
例えば、コンビニで買い物をしたとき、レジに人がいないので「すみません」と店員さんに声をかけます。
するとその店員さんは、慌てる様子もなくゆっくりと歩いてきます。
その時、なんだか少し「イラツ」としてしまったとします。
このイライラも「期待」が関係しています。
この場合は、「お客さんを待たせているのだから、(ゆっくりと歩いてくるのではなく)急いで来てくれるだろう」と期待していたのに、その期待が裏切られました。
その結果、残念な気持ちになり、それがイライラした気持ちにつながったのです。
他人にイライラするという機会を減らしていくには、イライラする気持ちをどうにかしようとするのではなく、その根本部分にある「期待」をなんとか処理する必要があります。
人に期待してしまう理由は何?
イライラには「期待」が深く関係していることがわかりました。
したがって、人に対して期待することが多いほど、イライラしやすくなるといえます。
これは、人は期待通りに動いてくれるとは限らないからです。
むしろ、人は考え方も価値観も違うので、自分の期待通りに行くということが少ないのが普通です。
それなのに、人はどうして他人に期待してしまうのでしょうか?
これには様々な理由があるのですが、これはその一つを例を挙げて説明します。
それは、人はだれでも、自分の中に「こうであるべき・こうでなくてはならない」という思い込みがあるからです。
「こうであるべき・こうでなくてはならない」という思いは、先に挙げた接客の話においては、「お客様とは丁寧に接しなければならない」という思いがあったりすると、自分がお客さんになった場合でも、どうしても同じこと「丁寧な接客」を期待してしまいます。
ただ、現実にはそういう店員さんばかりではないので、期待が裏切られることもあります。
すると、それが結果的にイライラを生じさせる原因になります。
一般的に、「~であるべき・~でなくてはならない」という思いが強い人ほど、自分に厳しいといえます。
そしてそういう人は、とても優秀な人であることが多いようです。
自分に厳しい人・正義感が強い人・真面目な人・頑張り屋さんな人…
そんな人ほど、一つ間違うとイライラする自分に悩み苦しんでしまいます。
期待を少し手放すと、楽になる
他人に期待する理由の一つは、「こうであるべき・こうでなくてはならない」という思い込みがいるからでした。
したがって、この自分の中にある「こうであるべき・こうでなくてはならない」という思いを見つけて、それを手放して行けば行くほど、期待することも減り、結果的にイライラすることもなくなっていきます。
しかし、この「こうであるべき・こうでなくてはならない」という思いは、生まれ育った環境の中で育まれてしまっている場合が多く、手放すのはとても困難なことであったりします。
また「こうであるべき・こうでなくてはならない」という思いは、悪いことばかりではなくて、仕事などにおいてはとても大切なことでもあります。
ただ、こういった思いが自分の中に強すぎた場合、他人に対してはイライラしやすい自分になってしまうかもしれません。
だから、このようなときには、「こうであるべき・こうでなければならない」という思いを少しでも手放すことができたら楽になれます。
こうするためには、「~でなければならない」を「自分は~したい」に変えてみるとうまくいくことがあります。
例えば、「人とは丁寧に接しなければならない」を「自分は人とは丁寧に接したい」に変えてみます。
この時、「丁寧に接すると人に喜ばれるから、自分は人と丁寧に接したい」というように理由をつけることも良い方法です。
こういう考え方であれば、自分がそうしたいからやるわけで、他人に同じことを求めなくて済みます。
つまり、他人にイライラしすぎて自分が苦しくなってきたときには、自分の中に「こうであるべき・こうでなくてはならない」という思い込みがないか探してみて、その部分を「自分は~したい」に変えてみると、他人に期待することが減っていって、イライラする機会も減少していくのではないでしょうか。
「こうでなくてはならない」という思いは、自分自身を縛り付ける思い込みでもあるので、そういった考えを少しでも減らすことができると、いろいろな意味で気持ちが楽になれるはずです。
「自分は~したい」という考え方も、「自分が得をするから」というように思えば良いでしょう。
人と丁寧に接しようとする人は、人から好かれます。つまり、自分が得をすることになります。
そう考えれば、他人に同じことを求める必要がなくなります。
それよりもむしろ、同じことをしていない人がいるということが自分にとって良いことになります。
丁寧でない人がいて、はじめて、丁寧な人が引き立つことになりますから…
そういう考え方をすれば、他人にイライラせずに、なりたい自分になって行けます。
ちょっとしたことでイライラしてしまう理由
ちょっとしたことでイライラしてしまうこともあります。
本当は大したことではないのに、突然に怒りがこみ上げてきて、つい言い過ぎてしまったり、相手に怒りをぶつけてしまったりすることもあるでしょう。
その原因もいろいろあるでしょうが、怒りを抑圧することを続けているうちに、ちょっとしたことでイライラを抑えられなくなり爆発しまうことがあります。
イライラというのは感情の一種ですが、感情はある程度まで自分の心の中に留めておくことができます。
人の心の中には、感情を留めておくスペースがあって、怒りもそのスペースにある程度まで留めていくことができます。
その怒りを溜めておけるスペースをコップ、怒りをそのコップに入れる水とすると、満水になるまではコップの中に水を留めておくことができます。
コップにまだ余裕があるときには、怒りを留めておけるので、ちょっとしたことで怒りが爆発することはありません。
ところが、そのコップの水がいっぱいになってしまうと、ちょっと水をつぎたしただけで水が溢れ出てしまいます。
これが、ほんのちょっとしたことで怒りが爆発してしまう原因の一つです。
したがって、ちょっとしたことで怒りが爆発してしまわないようにするには、コップに水を溜めすぎないようにすることが重要です。
どんな時にコップに怒りという水が溜まってしまうのかいうと、怒りを我慢したときに留まってしまうということになります。
怒りは抑圧すればするほど心に溜まっていく性質があります。
だから、普段から「イライラしてはいけない・こんなことで怒ってはいけない」などと怒りを抑圧していると、コップに怒りという水が留まっていきます。
怒りを我慢するというのは、大人の選択肢ですが、心にとってはあまりよくないことです。
怒りを留めないためには、我慢する(抑圧する)ことをやめてしまうのが一番です。こうすると怒りは留まっていきません。
ここで気をつけて欲しいのは、怒りを我慢するのやめようといっても、相手にその怒りをぶつけても良いということではありません。
イライラしてしまったときには、「イライラしてはだめだ」と抑圧しないで、「自分はイライラしているなぁ」と自分が感じたことを素直に認めるということが大事です。
ここで無理に「こんなことでイライラしないようにしよう」と思ったりすると、怒りを抑圧してコップに怒りという水が溜まっていってしまいます。
そうではなく、「自分はイライラしているな…」と素直に自分が感じたことをそのまま受け止めると、コップに怒りという水が留まりません。
日常生活の中では、イライラしてしまう場面がいくらでもあります。
相手が悪くてイライラする場合もあるし、相手に非がなくても、何かの勘違いや行き違いでイライラすることもあるでしょう。
そんな時でも、自分が感じたことをそのまま素直に受け止めることが大切です。
「イライラしてはだめだ・怒ってはダメだ」とか「早く気持ちを切り替えよう」
などと考えずに、ただ単に受け止めましょう。
そういうふうに、ただ単に感じて受け止めるだけにすれば、怒りの感情というものは薄れていくものです。
まとめ
- 人は原因があって、人にイライラするものです。そして、その原因は多くの場合、自分の中にあります
- イライラは怒りの感情ですが、怒りには「期待」が深く関係しているといわれています。期待する → 期待が裏切られる → 第一の感情(残念、悲しいなど) → 第二の感情(イライラ、怒り) という順番です
- 自分の中ある「~であるべき・~でなくてはならない」という思いを見つけて、そして、それを手放してゆけばゆくほど、期待することも減ってゆき、結果的にはイライラすることも減っていきます
- 怒りを抑圧することを続けていると、ちょっとしたことでもイライラを抑えられなくなってしまうことがあります。「怒っちゃだめだ・早く気持ちを切り替えよう」などと思うわけでもなく、ただ、受け止めてみましょう。そういう風にただ感じてあげると、感情というものは薄れていくようにできているようです
- 「期待しすぎないようにすることでイライラが湧き上がらないようにする」といったように根本的な部分から変えていければそれが一番です。
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