水素ガス吸入療法が先進医療Bに指定されました。
この記事では、話題沸騰中の水素と健康について詳しく解説していきます。
水素と健康の関係性が注目されている理由

水素ガス吸入療法が先進医療Bに
水素吸入を利用した「水素ガス吸入療法」というものがあります。
この「水素ガス吸入療法」は、厚生労働省により2016年に先進医療Bに追加されました。
先進医療とは、将来的に健康保険が使える医療になる可能性があるものをいいます。
まだ科学的な根拠が少ないので健康保険の対象にはできませんが、全額自己負担で保険対象の医療と一緒に「混合診療」を受けることができます。
現時点(2022年8月)では、慶應義塾大学病院等の1部の病院で水素ガス吸入療法を受けることができるようになっています。
「水素ガス吸入療法」は今後さらに研究が進み、正式に保険の対象となる医療となることが期待されています。
水素と健康に関して研究論文が数多く発表されています
水素ガス吸入療法が先進医療Bに追加されたことからわかるとおり、水素と健康に関して世界では研究論文が数多く発表されています。
こういった研究論文の中では多くの実例や驚くような成果が発表されています。
どうしてこのような成果が出るのかについては、ミトコンドリアと活性酸素について考える必要があります。
ミトコンドリア
ミトコンドリアとは細胞内でエネルギーを作り出してくれる細胞小器官です。
ミトコンドリアは、人体の「エネルギー工場」や「発電所」と呼ばれることがあります。
このミトコンドリアの量が少なくなると、エネルギーの生産量が減ってしまいます。
そうなると、体力や気力が弱ってしまい、「休んでもなかなか回復しない」という状態になります。
「すべての病気はミトコンドリアが少なくなることが原因」と言い切る学者もいるくらい、私たち人間にとってミトコンドリアは大切なものです。
ミトコンドリアは年齢とともに減少しますが、運動をすることで増やすことができると言われています。
この大切なミトコンドリアに対して、水素との関係性が以下のように紹介されています。
血糖の中に含まれる水素を使って私達の体を構成している五十〜六十兆にも及ぶ細胞の中のミトコンドリアが、命を支えるエネルギー物質ATPを作る。そのエネルギーを使って全ての臓器が機能する。これが命の仕組みである。だから水素なしに生命は成り立たないのである。
若山利文(2016).健康長寿 最後の決め手 水素がすごい! KKロングセラーズ
活性酸素
水素と健康についてもうひとつ押さえておかなければならないのは「活性酸素」です。
活性酸素は美容業界では、「老化の原因」と言われるほど嫌われた存在です。
実際は、免疫系をサポートする重要な役割もあるのですが、活性酸素が多すぎるとあらゆる不調をきたすとされています。
活性酸素のせいで細胞がサビてしまうと、サビた釘がもろくなってしまうように、細胞は傷つき劣化します。心臓や胃腸、脳のような臓器、血管、皮膚など、活性酸素はあらゆる細胞をさびさせます。
その害はとても大きいので、最近では「人がかかる病気の9割は活性酸素が原因」「活性酸素は老化の原因」などと言われているほどです。
谷垣吉彦(2020).100歳まで健康に生きるための水素: 自然治癒力を高め免疫力がアップする!奇跡の健康効果 ごま書房新社
この本のように、医療や美容の業界では活性酸素の体への悪影響についてたくさん発信されています。
先ほども述べたように、活性酸素にも重要な役割があるのですが、増えすぎると「悪玉活性酸素」になってしまいます。
活性酸素が増え過ぎる原因としては以下のものが挙げられます。
- 加工食品
- タバコ
- お酒の飲み過ぎ
- 強いストレス
- 排気ガス
- ウィルス
- 紫外線
これらはどれも、現代社会では避けることが難しいものばかりです。
したがって、増えすぎた活性酸素を適切な量にまで戻すことが健康維持には重要な取り組みとなります。
少しでも長く健康でいるためには、活性酸素と上手に付き合っていくことが必要です。
食事で抗酸化物質を摂取することもできます。
食生活を見直すことで、活性酸素の発生を抑えることも大切です。
そして、この活性酸素について、水素の持つ力が大きな注目を集めています。
水素は活性酸素と出会うと、結びついて水になります。つまり、体内に水素を取り入れておけば、発生した活性酸素が細胞をサビさせる前に、無毒な水にすることができるのです。
谷垣吉彦(2020).100歳まで健康に生きるための水素: 自然治癒力を高め免疫力がアップする!奇跡の健康効果 ごま書房新社
今後さらに水素の研究が進んでいくことになるでしょう。
水素とは?

これまで水素が持つ力や可能性について説明してきましたが、そもそも水素とは何なのでしょうか?
水素はこの宇宙で1番小さい元素であり、宇宙で最初に誕生したと言われています。
さらに、宇宙で最も豊富に存在していると言われ、まさにすべての生命の源と言っても過言ではありません。
元素記号はHで、通常は原子が2個組み合わさりH2という分子で存在しています。
水素とは、その名前が示す通り、水のもとになる元素です。
水の分子はH2Oで、Oは酸素です。
なので、水素(H2)に酸素(O)を結びつけることで水(H2O)を作り出すことができます。
またその逆に、水(H2O)から酸素(O)を分離することで水素(H)を取り出すことができます。
水素は酸素と反応しやすく簡単に燃えるのですが、この特性を生かして発電するなど、次世代のエネルギーとして注目されています。
健康や美容の分野では、エネルギーの分野と同様に「水素は酸素と反応しやすい」とい特性に注目しています。
現在、水素と活性酸素が反応をしないか、世界中で日夜研究が進められています。
水素吸入と水素水の違い

水素と健康と言えば、最も話題になり有名なのは水素水です。
水素水と水素吸入ではどのような違いがあるのでしょうか。
水素水とは
水素水とは水素ガス(気体の水素)を水に溶かせたものです。
水素水を飲んで水素を体内に取り込むことで、美肌やダイエット、病気の予防について「効果がある」と多くの企業や人が宣伝していました。
このことが一時期、大きな話題となり、また多くの批判的な意見が出たのでご存知の人も多いと思います。
水素には多くの可能性が秘められているという事は、多くの研究者が感じていることなのですが、どうして水素水があれほど批判されたのでしょうか。
まず初めに挙げられる理由として、「水素濃度が低い」というものです。
水素には何らかの効果があるかもしれないが、「市販の水素水の濃度では意味がない」と多くの人が批判していました。
確かに市販の水素水は濃度が低いものが出回っていたようですし、蓋を開けた瞬間に水素が逃げてしまうという問題もありました。
これでは、たとえ水素に何らかの効果があるにしても、意味があるほどの量を取り込むことはできません。
また当時は、今よりさらに研究データが少なかったのです。
水素濃度が低いことと、広告で言われているほどの効果が当時の研究では証明されていなかったことの2つが重なって大きな批判となってしまったのです。
水素吸入とは?
水素吸入とは、文字通り、水素を口または鼻から直接吸い込むことです。
水素ガス吸入療法はこの形式となります。水素吸入は水素水と違い、直接水素ガスを体内に取り込みます。
そうすることで、水素水のように、蓋を開けた瞬間に水素が抜けるというようなことはありません。
水素をしっかりと生成する機械を使えば、水素濃度が低すぎるということも起こりません。
また、2016年に厚生労働省が「水素ガス吸入療法」を先進医療Bに追加したことからわかるように、今では水素に対して大きな期待がかけられています。
確かに、研究は途中段階なのでわかっていないことも多くあります。
しかし「水素ガス吸入療法」で実際に得られた効果が、多くの書籍や研究論文の中で事例が数え切れないほど報告されています。
水素風呂とは?
お風呂の中に水素を発生させる機械や入浴剤を入れることで、お風呂のお湯の中で水素を発生させることができます。
この方法の良いところは、お風呂で発生した水素を呼吸で取り込めることです。
さらに、水素が発生している湯船の中に入ることで、肌からも水素を取り込むことができます。
水素を取り込む量は、水素風呂が1番多いと説明しているところもあります。
水素サプリとは?
水素サプリは、カプセルの中に水素を発生させる成分を入れて、それを飲み込むことで水素を体内に取り込みます。
水素サプリは体内で水素を発生させるため、水素水のように飲む前に気体となってなくなることがないと言われています。
水素吸入の効果的な方法
水素吸入する場合、効果的に行うにはどのようにすれば良いかを紹介します。
水素濃度について
先進医療Bの説明では、2%の水素濃度となっています。
他の研究結果を見ても、2%が良いとされているものが多く、それ以上の濃度にしてもあまり変わりがないようです。
なので、2%以上の水素吸入できるのであれば問題ないと思いますが、国の安全基準では4%以上の水素濃度では爆発の危険性があるとされています。
以上の理由から、今のところは2%以上4%未満の水素濃度が良いでしょう。
1日の吸引回数・時間
吸入回数や時間に制限が必要なのかどうかについては、今のところ報告されていません。
しかしいろんな報告を見ると、短時間の吸入で回数を増やすよりも、一度に長い時間吸入した方が良いという意見の方が多いようです。
なので、はじめての場合は15分ほど吸入をしてみて、問題がなければ一度に30分以上を目安に吸入するのがおすすめです。
実際に水素吸入器を使っている人の利用方法を聞いてみると、短くても一回で30分以上吸入をし、長い人では起きている間ずっと吸入し続ける人もいるようです。
吸入の時間と回数については、あなたのライフスタイルに合わせて無理のない範囲で、できるだけ多くの時間を取れるようにすると良いと思います。
水素吸入の副作用
水素吸入の副作用については、今のところ明確な副作用は見つかっていません。
しかし、実際の吸入について何かが起こる可能性はゼロではないので、万が一違和感を感じたら中止して、かかりつけの医師に相談してください。
好転反応
副作用ではありませんが、まれに好転反応が現れる人もいます。
体が何らかの良い方向に変化する途中で、頭痛や肌荒れ等の不調を感じる人がいます。
もし水素吸入で何らかの体調不良を感じた場合、それが好転反応であれば良いのかもしれませんが、判断がつかない場合はかかりつけの医師に相談した方が良いでしょう。
水素吸入療法とは?
「水素吸入療法」とは、水素ガスを吸入し活性酸素を除去することで、がんの進行抑制・がん治療による副作用の軽減・がんになりにくい体質を乱す治療のことです。
治療内容
私たちの体細胞の中にあるミトコンドリアは、酸素を使って細胞のさまざまな活動に必要なエネルギーを生み出します。その際に発生する活性酸素種 (Reactive Oxygen Species:ROS)には、スーパーオキシド、ヒドロキシラジカル、過酸化水素、一重項酸素があり、これらはタンパク質や脂質、DNAなどを酸化することで細胞傷害を引き起こし、さまざまな疾患の原因になると考えられています。特に反応性の高いヒドロキシラジカルは、老化やがん、糖尿病、高血圧などの数多くの疾患に深く関わっている、最も危険な活性酸素とされています。
水素吸入療法は、水素(H2)ガスを酸素とともに吸引し、体内に取り込む治療です。水素を吸引することで、有害なヒドロキシラジカルを除去して、病気の改善や予防を目指します。
京都御池メディカルクリニック https://kyoto.krg.or.jp/treatment/hydrogen/

まとめ
過去の水素水バッシングから継続して「水素には何の効果もない」と主張している人がいます。
確かにまだ研究段階で分からないことも多いのですが、「わからない=効果がない」ということにはなりません。
「水素吸入医療」は研究報告もすごく増えてきて、先進医療Bにも追加されました。
これらの状況を考えれば、水素の未来は明るいものだと思います。
水素吸入を行っている人は健康のためであったり、美容の為であったり、苦しんでいる両親のために水素吸入器を入手したいと、多くの人の未来の希望となっています。
ぜひあなたも、水素吸入器を試していただき、自分自身で確かめてほしいと思います。